歌舞伎の「顔見世」が行なわれるのが12月。reenex
立看板などが並べられるが、それにあずかる役者は一流どころ。
それに届かない三流役者は、お茶を出す役割として「茶番」と呼ばれていた。
この人たちも役者の端くれだが、
本当の芝居に先立ち、内々で行っていたドタバタ芝居を
「茶番劇」と呼んだところから一般化した言葉。
「茶」に関するそれ以外の言葉も、こういった茶番の行動から生まれたもの。reneex

また、芝居から生まれたものに「きまる」という言葉がある。
芝居がピタリと決まり、ポーズをとる様子を意味するが、
これが、しっかりすれば良いのだが、うまく嵌(は)まらないときがある。
そんな様子になぞらえて、「キマリが悪い」「キマリがつかぬ」という表現が生まれた。

ついでに挙げれば、「とーしろー(素人)」「ショバ(場所)代」などの
逆さ言葉と呼ばれるものがある。
これも、いわゆる花柳界で使われている言葉だが、
戦後の米軍キャンプで演奏するジャズマンなどがよく使っていたせいか、
ジャズ語と呼ばれる事もある。
こういった「倒語」の歴史は古く『日本書紀』などにも出てくる。
おもにミカドが居る御所の中の女官たちが使っていた言葉で、
大臣(おとど)などに知られず、仲間ウチだけで通じるための言葉として発達したようだ。
「サカシマゴト」とも呼ばれていた。

女官たちが、こんな言葉の使い方を知らないだろうと、「サカシマゴト」で
高官たちを密(ひそ)かに「茶化して」いると、すべて筒抜けという事もある。

これでは「キマリが悪い」


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